2020.9.9

安中市のお客様の土葺きの瓦屋根を調査しています。
写真はその屋根を横から見た状態になります。
土葺きという名の通り、瓦の下には土が葺かれています。ですが、その土も見る限りボロボロの状態になっています。
現在では採用されないやり方です。

そして現在の瓦屋根の状態。
瓦全てが全体的にずれ下がっています。本来なら一枚一枚ずれた瓦を元の位置に戻してあげたいところですが、 瓦の下が、通常は丈夫な野地板という板が張られているのですが、この屋根の下は土なので人がこの屋根に乗ってしまうと、 さらに屋根が悪化しかねない状態になっています。

おそらくは積雪があった時に、雪がずれ落ちてくるときに一緒に瓦も動いたのだと思われます。
軒先の瓦はかろうじて針金で固定されたところでとどまっています。
ただ軒先の瓦は皆雨樋の上に覆いかぶさるような状態になっていますので、雨の日には雨樋に入りきれない雨水がバシャバシャとこぼれ落ちているかもしれません。

同じ土葺きの屋根を別の角度から見たところになります。
この屋根を裏から見ると縦横に渡した板の上に木の皮を葺いてあります。その上に土が盛られて瓦がのせてあります。
この屋根を直すには一度屋根全体を解体して野地板を張って瓦を載せ直すしかありません。
屋根を踏み抜いてしまう可能性もありますので足場も組む必要があります。