2020.11.26
高崎市のお客様の日本瓦の屋根の調査です。
少し離れて見たところ日本瓦の軒先に付いている雨樋は下の車庫の屋根の途中で取れています。
本来であれば日本瓦の屋根から下の車庫の雨樋へと雨水が流れるようになっているはずです。
ちなみに車庫の屋根を這(は)うように設置されているはずの雨樋を「這い樋」と言います。
日本瓦を上から見ると2枚ほど割れていることがわかりました。
原因はわかりませんが割れたところにはコーキング剤が塗られていています。
瓦は針金で引っ掛けて固定している状態になっています。
日本瓦の屋根を横から見ると何だか瓦の並びがいびつな感じになっています。
平瓦はずれて隙間ができていました。
そして一番高いところに積まれている棟瓦ですが一番上の冠瓦は良いとして、
一番下と真ん中には平たい形の「のし瓦」を隙間なく積み上げるのですが、
なぜか一番上の載せる冠瓦の丸みの部分を削って積んでいます。
そのため隙間ができて雨水が入るようになっています。
壁際の日本瓦は割られて設置されていました。
割り方が雑なので壁との間に隙間ができています。
雨水が上から流れてくる時にこの隙間に入っていることは間違いありません。
屋根の裏側の下地の木は水分は失われ痩せて傷んでいます。
隙間からは瓦の裏側に塗られている粘土が乾燥してボロボロの状態なのが見えます。
日本瓦を葺く時に採用されていた「土葺き」という工法ですが、耐震性がないため現在は採用しません。
この日本瓦の屋根を直すときにはこの薄い下地の板から張り替えないといけません。