2021.5.21
高崎市で日本瓦のお宅の屋根を調査しました。
写真は屋根の高いところから屋根の角のところへ向かって積み上げられている隅棟(すみむね)です。
隅棟の一番上に載っている半円状の瓦は冠瓦(かんむりがわら)です。
本来真上から見ると冠瓦は中央に積まれているものなのですが、少し右にずれているのがわかります。
こちらは別の角度から見たまた別の位置にある隅棟の写真。
こちらにははっきりと元々冠瓦がもう少し右側にあったところの跡が残っています。
隅棟は針金で縛り上げてありますが、それでも地震などでずれたのだと思われます。
現在ではこうしたずれが起こらないように耐震棟金具を使って積み上げています。
隅棟は単なる飾りではなく屋根と屋根との境目の雨水の侵入を防ぐ大事な役割があります。
この写真の隅棟の冠瓦も曲がっています。
隅棟の下には白い漆喰が塗られています。
漆喰はカビによるものでしょうか、ところどころ黒く汚れています。
近くで見ると漆喰は、ひび割れていたり欠けていたりしています。
漆喰は隅棟と平瓦との隙間を塞いで雨水の侵入を防ぐものです。
漆喰の上の「のし瓦」もずれているようです。「のし瓦」もきちんと積まれていないと雨水が入ってしまいます。
お客様には隅棟の積み直しを提案させていただきました。