2021.6.12
高崎市で雨漏りしている日本瓦の屋根を修理する見積もりをするための調査をしています。
写真は屋根の上の方から屋根の角(隅)の方へと向かって積み上げられている隅棟ですが、
隅棟の一番上に積まれている冠瓦は左右に蛇行した状態になっています。
冠瓦の下に積まれている平らな形状の「のし瓦」もずれていて中には大きくはみ出しているものもあります。
こちらの隅棟は冠瓦が蛇行しているどころか抜けています。
隅棟には屋根と屋根との合わせ目に雨が入らないようにする大事な役割があります。
こうした隅棟の形が崩れることが原因で雨漏りが起きることがありますので、こうした隅棟は一度解体して積み直すしかありません。
隅棟と棟瓦のつなぎ目のところですが、漆喰はすでに黒くなって劣化しています。
隅棟を固定する力はありませんので冠瓦も「のし瓦」も抜けています。
漆喰のところに白くコーキング剤を塗った形跡がありますが、このような状態では雨漏りを防ぐ効果はありません。
冠瓦の下には粘土が見られますが、漆喰の保護が無いため雨によって流されています。
年代によってこのように瓦の下に粘土を塗る工法がありますが、現在では粘土を使わずに全て漆喰材を使うことが多いです。
また現在ではこのように形が崩れたりしないよう耐震工法で積み上げられています。