2021.9.15
高崎市で日本瓦の屋根の棟の瓦を積み直しする工事をしています。
今までの棟の瓦は地震や雪などの影響で瓦にずれが生じています。
棟の瓦をまとめる外側の銅の針金が緩んでいるのも一因です。
今回の積み直しではステンレス製の針金を冠瓦に開けた二つの穴から取り出して縛り上げる工法です。
棟の瓦の積み直しは今まで積まれていた瓦をそのまま再利用します。
瓦を一枚一枚外していくと中から乾いた粘土が出てきます。
これは塗り土工法と言って粘土を使って瓦の固定と雨の侵入を防ぐやり方です。
今回の積み直しでは粘土を使わずに漆喰材を使います。
既存の瓦を全て取り外し粘土を取り除いたところで今度は棟金具を取り付けます。
この金具は野地板(屋根の板)に直接ビスで固定します。
この固定された棟金具をもとに地震でも崩れない棟の瓦の積み直しをしていきます。
耐震工法と言われるやり方です。
棟金具を中心にして左右にのし瓦を載せていきます。
のし瓦同士を緊結留め金具で離ればなれにならないように固定します。
棟金具にはステンレスの棒が通されています。この棒に針金を結わえて最後に載せる冠瓦の穴に通します。
鬼瓦の裏の穴には棟金具に結び付けたステンレスの針金がしっかりと何本も通されていて倒れないようになっています。
冠瓦の穴に通したステンレスの針金は縛り上げた後に余分な長さのところをカットします。
鬼瓦の裏の隙間や隅棟との隙間の部分にはシーリング剤を塗って雨が入らないようにします。